58話
その手があったか。
あるIT会社の社長が言った言葉に、思わず笑いながら、そうきたか、その手があったかと、思いました。曰く「・・・私の髪が後退したのではない。私が前進したのだ」。そしてまた、これを自身の部屋の説明に応用したK子さんにも、座布団一枚。彼女曰く「私の部屋がきたないのではない。私がキレイになりすぎたのだ」。だから、私も言いました。「あなたが美しくなったのではない。美の基準が下がったのさ」
柔軟思考、逆転の発想。そんな考え方を習慣化しておくと、イライラをプラスに変えたり、悩みをチャンスに変えたり、怒りを瞬時に沈静化したり、けっこう笑えたり、何かと役に立つようです。やられた、その手があったかの逆転の発想は、商品開発の現場では特に重要で、ヒット商品もけっこうありますね。カラダに悪いイメージのコーラをカラダによい特保にした。エクササイズのためにわざと歩きにくくしたトレーニングシューズ。大量のコピーバイクに手を焼いていた時、逆に系列会社にしてしまった。エレベーターの待ち時間クレームに「姿見」をつけて解消した例・・・など。不満、不便、不安は、ビジネスチャンスなのですね。その手が、商品開発のヒントになるなら、自分開発、自分発見、自分発明のヒントにならないわけがないのです。
満員電車がつらい→ストレスに耐える絶好の訓練になるね。食べ過ぎじゃない?→ダイエットするために太っているの。災害で停電はいやだね→少子化対策になるかもね。ワイン飲みすぎだよ→私が飲まないと誰かが飲んじゃうから。お寿司食べすぎ!→お寿司が近づいてきたんで。友達がいない→パソコン画面の奥には友達がたくさんいるよ。恋人がいない→これから選り取り見取りだね・・・なんて、視点を変える発想の練習は、人生をちょっとハッピーにするかもしれませんね。
さて、日本生まれの、キレイになりたい日本女性のための化粧水、ヘチマコロン。でも本当に日本人だけでいいの?と思っていたら、なんと昭和初期にすでにハリウッド女優が「これは日本自慢の化粧水でお肌を美しくする事に於いては、世界でも類のない品です」とにっこりアピール。そうきたか、その手があったか、ヘチマコロン。