64話
ところで、あなたは何人ですか?
教育者、小児科医、料理人、経営者、会計士、音楽家、デザイナー、その他…。これらをすべてやってのけられる特別な人。彼女の名はホームメーカー(家事担当者)。という賛辞の言葉(『アメリカの心』学生社)に接して、なるほど!と手を打ち、また気づいたのです。主婦とは家事担当者とは、7人のプロフェッショナルと同じであると。フツーのOLだと思っていたある女性が、ある式でびっくりピアニストに見えました。
マルチな才能とか、多趣味とかいいますが、実はだれでも別の顔があり、人生という舞台で何役も生きている。視点を変えると、他人から見ると、知られざるあなたが実は何人もいるのですね。
「才能がある」の別の言い換えを見ると、上手な●●、筋がいい××、センスのいい〇〇、腕のたつ□□、達者な△△、などと出てきます。上手な英語、筋のいいゴルフ、センスのいいファッション、腕のたつ手料理、達者な呑みっぷり…など。ほらね、やっぱりあなたもマルチな人。何役も生きている。何人もいるのです。CMでもう一人の自分が出てきて、話すシーンがよくあります。いまの仕事や勉強や人付き合いで悩んだり戸惑ったりした時、他人より案外別の才能の自分が助言してくれるかも。そして面白いのはその分野が際立つ人は、他の分野も際立つ人が多いようです。多才とは多彩なのですね。
いえいえ、私なんて平凡で単純で才能なんて…と謙遜しているあなた。自分の隠れた才能を見つけるいい方法があるのです。例えば子供時代を振り返ってみる。時間を忘れて熱中したことを思い出す。新しいことをやってみる。地域社会のために何かやるなど。好きこそ物の上手なれ。別のあなたの誕生です。飽きっぽくてもいいのです。それもまた才能です。付き合う人が多いほど、友だちが多いほど、人生は豊かになります。他人でも、自分の中の自分でも。私が7人もいるなんて、何だか楽しくありませんか?
マルチな才能、友達付き合いの多さでは、ヘチマコロンは負けません。若い女性、もっと若い女子、おかあさん、おばあちゃん、みんな親密なお付き合いです。「…春の花のような美しさにする」という信頼を守るからでしょう。いえいえ、それ以上かな。昭和8年の広告では、「外国人さへその品質の良さを不思議がるヘチマコロン」とあります。時代を超え、世代を超え、国境も超えて、ずっとあなたの友だち、ヘチマコロンです。