83話
気がつけば、秋があぶない。
今、地球のスポーツが熱いけど、地球も暑い。国連事務総長は言いました。「地球温暖化の時代は終わった。“地球沸騰化”の時代が到来した」と。気候変動に詳しいある学者は「・・・これからの日本は春と秋が極端に短く、寒い冬と暑い夏がメインの『二季の国』になっていくでしょう」と予告します。『四季』が『二季』になっていく。それは女性にとって由々しき問題でしょう。なぜなら春と秋は、女性がファッションを楽しむ絶好の時期だし、旅行にも最適だし、魅力ある味覚も盛りだくさん。そうした春・秋が短くなると、人生をエンジョイする時間が半減してしまうのです。
さっそくアパレルメーカーは『四季』から『五季』に考え方を変えているそうです。夏を「初夏・盛夏」と「猛暑」の二つに分ける『五季』。いずれにしても、異常が日常になった夏の暑さや温暖化が原因です。爽やかな秋晴れや秋の空、涼風、初秋、仲秋などは、尾を引く酷暑や激暑や残暑に、飲み込まれてしまうのでしょうか。秋があぶない。秋よ踏ん張れ。多少短くなっていくとしても、繊細な秋、一瞬の秋の風情は、しっかり楽しみたいものですね。
とある調査で、「女性の幸せを感じる瞬間」を見ると、1位は「美味しいものを食べている時」、2位は「趣味の時間を楽しむ時」、3位は「旅行・温泉に行った時」・・・。ジューシーなステーキにホッペを落とす瞬間。好きな読書や、音楽・映像に没頭する快感。非日常体験や温泉で心身をリフレッシュする解放感。これはもう、秋でしょ!!誰かが言いました。人の身体は食べたもので創られ、お肌のキレイは人の視線に磨かれ、人の心は豊かな記憶で成長していくと。だから、酷暑にうんざりした、疲れた心やお肌は、しっかり修復しましょう。身体と心は秋のオイシイモノで、満たしましょう。
そうです。仲秋の名月の頃に、美人水、ヘチマ水は生まれます。ヘチマ水から発明されたヘチマコロン。その誌面は詩います。「新涼!さわやかな九月の風に似た ヘチマコロンの付け心地です・・・兎角怠り勝ちでした 夏のお肌の御手入も 新涼のこの頃からは絶好の快復期です・・・」誰もが詩人になれる秋。秋を愛でましょう。気がつけば秋はみんなヘチマコロンです。