StoryOur storyヘチマコロン物語
民間伝承のヘチマ水が「ヘチマコロン」として、自然派の本格化粧品として新発売されたのは大正4年(1915)です。明治が終わって都市文化が花開き、女性の意識が変わり、よりよい暮らし、消費文明に目覚めた時代。そんな時代の風を背に受けて、「ヘチマコロン」は船出していったのです・・・。
11話
夢二の夢
漂泊と叙情の天才画家、竹久夢二。名前のとおり、夢を追い、夢を叶え、夢に敗れた波乱の人生でした。大正ロマンを代表する画家でしたが、詩や歌謡を手がけた詩人でもあり、多くの広告宣伝物や生活美術、本や楽譜の装丁などを手がけた、日本の近代グラフィックデザインの先駆者でした。昭和5年(1930)8月3日の東京朝日新聞にヘチマコロンの広告が掲載されています。これは「ヘチマコロンの唄並びに絵」を夢二が手がけたもの。
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10話
江戸の水
化粧はおよそ卑弥呼の時代から行われていましたが、ヘチマ水が化粧水として使われ出したのは室町時代、という説があります。室町時代に、ヘチマが中国から入ってくると、「美人水」と呼ばれて、化粧水として使われるようになったというのです。そして手ごろな化粧水として、広く庶民に普及したのが、江戸時代。
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09話
スローな化粧品
時は1980年代半ば。ローマの名所スペイン広場に、米国のハンバーガー店がオープン。この世界的なファストフード店の進出を契機に、イタリアの伝統的な食文化に危機感が生まれ、スローフード運動は始まりました。消えかかっている各地方の伝統的な食文化や食材を守ろう。質のよい素材を提供する小規模生産者を支えよう。消費者や五感の発達期にある子供たちの味覚教育に目を向けよう。そして画一的ではない「食の喜び」を取り戻そう――。
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08話
ヘチマの誤解
広辞苑を引くと、「へちま」の意味2に、<つまらぬもののたとえ>とあります。「夢もヘチマもない」「主義もヘチマもない」など、「~もヘチマもない」の形で使われ、前の語がくだらないものであることを表します。これは、見た目は立派で大きくて、さぞおいしかろうと思ったら、これが食べられない。何て役立たず‥‥ということから、ヘチマは見掛け倒しのダメなものの代名詞にされたようです。
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07話
ヘチマコロン懸賞
「日本のファンに好かれる欧米キネマ女優は誰か」というユニークな懸賞募集を、ヘチマコロンは、昭和5年(1930)4月2日付の東京朝日新聞に掲載しています。「流行は映画から、文化は映画から、正に映画の時代です。時代の突端を行く皆様に愛用せられるヘチマコロンは映画時代の化粧品です」と紙面で謳い、欧米の10人の人気女優を選出し、人気投票を実施したのです。
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06話
ヘチマノチカラ
コロンの話は前に書きましたので、今回はヘチマの話をマジメにします。ヘチマは、西アジア、インド原産の瓜科の1年草。日本には中国経由で室町時代に渡来し、江戸初期に民間に広まったと言われます。日本名で糸瓜(いとうり)、後に訛って「とうり」に。糸がある瓜、繊維質が豊富な瓜という意味です。ではなぜ「へちま」と呼ぶのでしょう。実は「とうり」の「と」が、いろはにほへと…の『いろは歌』の「へ」と「ち」の間にあるので、「へ」「ち」間=へちま、という、江戸庶民のイキな命名、由来によるものとか。
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05話
四季の恋人
ヘチマコロンのユニークな宣伝活動の一例として、新聞社やレコード会社とのタイアップがあります。今でこそ、ごく普通に行われているキャンペーンですが、昭和初期には珍しい、画期的な宣伝活動と言えるでしょう。
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04話
ヘチマコロンタクシー、銀座を走る。
今で言う話題づくり、広告宣伝の一環として、ヘチマコロンタクシーは、誕生しました。時は昭和初期。不況のどん底で、ガラの悪いタクシーが横行していた時代。警視庁が取締りに苦慮していたところに、ご期待に沿う営業をしますからと交通課長に願い出たら、あっさりと許可がでました。そこでヤナセ自動車の協力を得て、シボレー20台を高級車に改装し、ヘチマコロンタクシーは東京・丸の内に発足したのです。
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03話
走る、ヘチマコロン。
ある作詞家が書いた、作詞家憲法の第15条に「歌は時代とのキャッチボール。時代の飢餓感に命中することがヒットではなかろうか」というものがあります。
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02話
そしてヘチマコロンは、誕生した。
美人水として愛用されていたヘチマ水が、本格的な化粧水としてデビューしたのは、大正4年ですが、その売れ行きに大きく影響するのが、商品名。ヘチマコロンというネーミングは、どのようにして生まれたのか。製造創始者とされるアイデアマン、安永秀雄氏(明治25年~昭和47年)の遺稿から、ネーミングのエピソードをご紹介しますと------。
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01話
美人水、キレー水、ヘチマ水。
2007ミスユニバースで日本人が世界一の美女に選ばれました。日本人の優勝は、48年ぶりだそうです。ところでミスユニバース、ミスワールド、ミスインターナショナルを3大コンテストと呼ぶそうですが、世界3大美人と言えば、すぐに連想するのが、クレオパトラ、楊貴妃、小野小町でしょう。
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